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アリから学ぶ、片付けない旦那の受け入れ方? 『働かないアリに意義がある』読書感想文

アリの行列
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片づけをしない旦那(パートナー)に悩んでいる。
でも、片づけ以外はとても良い人なので、どうにか受け入れて共に生きていきたい…

という悩みを持っている方は、きっと多いんじゃないでしょうか。

私も同じです。
旦那、子育ても家事も分担してくれるのに、片づけだけは全くやる気がない!

そんな旦那を受け入れるための考え方を、アリの研究から学んでしまいました。

著:長谷川 英祐
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働きアリの7割は休んでいる」「休んでいるアリがいるから、コロニー(巣)が存続できる」というのです。

これだけで目からウロコがポロポロ落ちるんですが、さらに家庭に当てはめて考えてみたら、旦那についても何だか納得できる気がしたんです。

まあ考え方を変えても、旦那が片付けしない現状は変わらないんですけどね。
でも、考え方ひとつでイライラがおさまったりするので、やっぱり考え方は大事です。

それでは始まり〜。

目次

『7割のアリは休んでいる』

7割のアリは休んでいる
という第1章のタイトルだけでも、インパクトありますよね。

この7割の中には、調べた時にたまたま寝てたようなアリも含まれるので、7割全部が全く働いてないわけではありません。
でも、働きアリの2割は、マジで全く働かないそうです。

「アリが働き者であるという俗信は、私たちが、エサを探し求めて歩き回っているワーカーばかりみているからこそ生まれてきたのです」とあります。(32ページ)
アリ、働き者じゃなかったんだ!?

著者は進化生物学者で、アリやミツバチなど、様々な生物を観察・研究している方です。

『働かないアリに意義がある』では、社長やリーダーのいないアリ社会がどうやってうまく機能しているのか? を分かりやすく解説しつつ、人間社会に対して「その思い込み、ちょっと待った」と随所で指摘も入ります。

面白いです。

仕事に対する腰の軽さが、個体によって違う

アリの話に戻りますと。

仕事に対する腰の軽さが、個体によって違う」のが、「7割の働きアリが休んでいる」ことの、ひとつの種明かしです。

アリの社会には指示を出す上司がいないので、卵の世話やエサ集めといった仕事が発生すると、各アリが自動的に動き出すようになっています。
ただし、仕事に対する反応の違い、いわゆる「腰の軽さ」が固体によって違うそうです。
研究用語では「反応閾値」といいます。
「仕事あるよ! 仕事しろよ!」という圧力が、どれだけ強くなったら動くかの基準値、と言いましょうか。

この「反応閾値」の説明を、まさに片付けに例えていて、目が釘付けになっちゃっいました。(56ページ)
人間が片づけをする場合も、少し乱れたらその都度片付ける人もいれば、足の踏み場もないほど散らかってようやく片付ける人もいます。
アリでも同じように、少し仕事が発生したら働くアリもいれば、仕事がたくさん発生しないと働かないアリもいるのです。

このように、個体によって反応閾値が違うと、アリではどんな良いことがあるのでしょう?

誰もが働きたいと思っている

卵の世話で見てみましょう。

アリの卵の世話はとても大事で、常に舐めてやらないと、簡単に雑菌にやられて死んでしまうといいます。(アリの唾液には抗菌物質が含まれているそうです)
卵の世話が途切れると、コロニー(巣)の存続に関わるのです。

アリの巣

だからといって、卵が少し生まれただけで全員が一斉に世話を始めたら、そのうち全員が一斉に疲れてしまいます。
全員が疲れている時に、さらに卵がたくさん生まれたら、世話をするアリがいなくなってしまいます。

しかし、アリによって腰の軽さが違えば、卵が少しだけなら敏感なアリだけが働き、多いと少し鈍いアリも働き始めます。
常に、さっきまで休んでいた元気なアリがいるので、仕事は回ります。

腰が軽いものから重いものまでまんべんなくおり、しかしさぼろうと思っている者はいない」(60ページ)
私が揺さぶられた言葉です。

「さぼろうと思っている者はいない」。うちの旦那も、片づけをさぼろうと思っているわけじゃない。苦手すぎて腰が重いだけ。

だったらいいなあ。

働かないアリがいるから、コロニーが存続できる

働きアリの中には、卵の世話に対して相当腰が重い個体もいます。
冒頭で書いた、全然働かない2割ですね。

でも、たとえば人間の子供が巣をほじくり返した! なんて緊急時には、きっと腰の重いアリも、卵を避難させるために働きます。
もしかしたら卵に限らず、巣の補修など、緊急時ならではの役割に力を発揮するかもしれません。

つまり「働かない働きアリは、怠けてコロニーの効率を下げる存在ではなく、それがいないとコロニーが存続できない、きわめて重要な存在だと言える」(78ページ)というわけです。

「誰もが必ず疲れる以上、働かないものを常に含む非効率的なシステムでこそ、長期的な存続が可能」(78ページ)という指摘にハッとさせられました。

全員で同じように頑張ってしまっては、アリの社会は続かない。
人間社会も同じです。

家庭でも同じ?

我が家の場合はどうでしょう。

私は片付けに対して腰が軽いです。
というか、これまでの経緯もあって、やや過剰反応しています。

旦那は、かなり腰が重いです。
足の踏み場がなくなっても、あまり気にしないタイプです。
仕事が忙しいのは理解しますが、それにしても私物くらい自分で面倒見てよ、と思います。

でも、

今、私が常に片付けで消耗してる代わりに、旦那がたまの大掃除を担ってくれてたりします。
レンジフード掃除とか、洗濯槽洗いとか。

息子とお出かけをして、私が片付けをする時間を捻出してくれることもあります。
二人して消耗してたら、この分担はできないな、と思いました。

また、二人とも片づけを考えすぎると、息子が放置になります。
先日の押し入れ整理のときのように。

片付けに対する腰の軽さが、私と旦那で違うのは、我が家という小さな社会を維持していくには意義のあることなのかもしれません。

あなたのパートナーも、片づけをしない代わりに、あなたが苦手な何かを担ってくれていませんか?
いざというとき意外と頼りになる、ってことは?

などと考えてみると、片付けしないパートナーのことを、少しは受け入れられるかもしれません。

私は、うん、どうだろう。
どうだろうね?

アリの社会の話、面白いよ!

片づけない旦那を許せるかはさておき、『働かないアリに意義がある』は面白かったですよ。

人間社会と似ている点、人間よりえげつない行動、色々出てきます。
アリ以外にも、ミツバチなど色々な例を出して、生物の社会の精妙さが語られます。

片づけの息抜きに、ぜひパラパラ読んでみてください。
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この記事を書いた人

旦那・2歳息子・うさぎ1羽と暮らすミドサー。
こんまりメソッドを9年がかりで完走した女。
一人目の産後に片づけで迷走しまくったので、二人目の時に経験を活かすべく、ブログで記録を始めました。

イラスト提供:フリーペンシル(iconbu.com)様

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